夏の悲しき物語。高市慎太郎
どうも、高市慎太郎です。
今日はですね、ちょっと悲しいお話を。
皆さんが夏になると必ず聞く声ですよ。
鬱陶しいとさえ思ってしまうこともある声ですが、
これを読んだ後はきっと違う感情になってることでしょう。
蝉の一生
蝉の特徴として皆さんが知っている事と言えばどんな事ですか?
きっと「長い間土の中にいて、地上に出てきたら1週間しか生きられない」こんな所ではないでしょうか。
今回は、もう少し掘り下げた蝉の一生を紹介したいと思います。
ちなみに、1週間しか生きられないというのは、飼育が難しいため採ってきたセミが1週間程で死んでしまうことから来ている都市伝説です。
実際は、地上に出てきて1ヶ月から1ヶ月半程は生きます。
それでも短いよなぁ。
始まりは幹の中
蝉は元々土の中に卵を産むと勘違いされている人が多いですが、卵は木の幹に埋められているんです。
ほとんどの蝉は、梅雨の時期になると孵化を始め、柔らかい表皮に覆われている未成熟な幼虫のまま、土を目指して木を降ります。
この時は、肉眼で見えるかどうかという、かなり小さいサイズです。
一生懸命木の幹を辿り地面を目指し、到達できたら土の中に潜ります。
土の中でも危険がいっぱい!
「さーて、やっと土に潜れたぞ!これで安心だ!」
と、思ったら大間違いです。
土に潜った後は、木の根から樹液を吸って成長するのですが、その時は身動きが取れません。
その為、「モグラ」「ケラ」などがラッキーと言わんばかりに襲ってきます。
さらに、中には長い地中生活の中で、菌に侵されてしまう個体もいます。
せっかく土の中に逃げたたのに・・・逃げた先も危険です。
3~17年は我慢の時間
種類によって大きく時間が異なりますが、蝉は3年~17年土の中で過ごすことになります。
ちなみに、全国的に生息しているアブラゼミは6年間土の中にいます。
中には「17年蝉」といって17年もの間、土の中に潜んでいる蝉もいるのです。
もしかしたら、知らないだけで100年蝉とかいるかも・・・。
地上に出てからが一番危険!
長い幼虫生活の後に、やっと地上へ這い出て成虫になるための準備を行います。
この時は、ある程度硬い殻に守られていますが、それでも襲われてしまえば、ほぼ捕食されてしまいます。
蝉は日没後でないと羽化を始めません。
なぜなら、明るいうちに羽化を始めてしまうと、未熟で柔らかい成体はすぐアリに食べられてしまうからです。
やっとこさ羽化を終えても、表面や羽が完全に固くなるまで飛ぶことはできません。
大体、翌朝になるまでは天敵に襲われないことを祈ってじっと我慢です。
成虫は毎日がサバイバル
やーっと成虫になれたと思ったら、毎日がサバイバルです。
蝉は天敵の多い昆虫なんです。
気持ち良く空を飛んでいると鳥に捕まり、木の樹液を吸っていると蜂に殺され、木の間を通り抜けると蜘蛛の巣に引っかかります。
さらに、極めつけは「人間」です。
人間の子供に乱獲され、特に意味もなく殺されてしまう・・・悲しすぎる。
しかも、蝉には攻撃手段がありません。
ただ、逃げ惑うばかりです・・・。
何年も待ったのに辛すぎる・・・
それでも、蝉は新しい世代を残すために毎日生きています。
最高のメスに巡り合って子供を作る!これが蝉の生きた証になるんです!
が・・・なんと、さらに悲しい事実が・・・。
なんと、蝉のメスは一生の内に1回しか交尾をしません。
にも関わらず、オスは複数回交尾ができます。
そして、オスとメスの個体数はほぼ同じです。
と、言うことは・・・。
「何度も交尾しているオス」がいるために「1度も交尾できないオス」が生まれてくるのです。
そんな悲しいオスの比率、なんと「約37%」!
ひどいと思いませんか?
何年も土の中で怯えながら生き長らえ、地上に出てからも苦難続きで、唯一の使命すら果たせずに力尽きる・・・。
これほどシビアな世界も珍しいです。
オスはつらいよ
いかがでしたか・・・悲しい一生ですよね。
これを読めば、寝ている時に蝉の鳴き声で起こされても「うるせー!」なんて言えないですよね。
彼らも、必死に生きているんです。
神様、どうか蝉のオス達に、1回でいいから交尾する機会を与えてあげてください。
蝉の声が、悲しく響き渡ります。
引用
夏の風物詩「蝉」。その辛すぎる一生に涙・・・ | ミネルヴァのトリビ
まず驚いたのが、セミって1週間以上生きるということ。
しかも、10何年も土の中にいるんですね。
大人になれるのはごくわずかなのに、更にパートナーガ見つからないオスもいるという、、、何とも悲しい。
みなさん、これから出会うセミには優しく接してあげてください。。。
高市慎太郎